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知床の安全対策

Safety measures in Shiretoko

はじめに

私たち知床観光関連事業者は、この度の海難事故と向き合いながらも、知床観光の安全性をしっかりと見直し、知床観光を楽しんでいただくために、安全への取り組みを積極的に発信することといたしました。
今後は、皆様が安心して来訪できるように知床地域一体となって取り組み、信頼回復に努めて参ります。

2022年7月29日
特定非営利活動法人 知床斜里町観光協会 会長 野尻 勝規

安全の誓い

令和4年4月23日、知床を楽しみにこの地を訪れ、思わぬかたちで事故に巻き込まれ、多くの尊い命が失われてしまった悲しい事故から二年が経ちました。

事故に遭われました被害者の皆様に対し、今一度ご冥福をお祈りし、哀悼の意を心から表す次第でございます。

この知床斜里に住む多くの町民にとって、あの事故の記憶は忘れることが出来ないものであり、地元観光事業者にとっても、危機管理と安全対策の重要性をあらためて思い知らされるものとなりました。

知床の自然を観光資源とするわたしたちにとって、偶発的な事故は防ぎようがない一方で、人為的事故の再発は繰り返してはいけないというこの度の海難事故を教訓とし、最善の対策が必要不可欠であるとの判断のもと、令和4年8月に「知床アクティビティリスク管理体制検討協議会」を立ち上げ、斜里町関係者を中心に、北海道大学をはじめとした外部協力のアドバイスもいただきながら、海上、陸上における自然アクティビティの安全な催行に関する検討を続けてまいりました。今後は具体的な取組みとして、行政、観光協会、関係団体との連携による支援事務局を設け、体験型観光におけるリスクの洗い出しを行い、実情にあわせた催行基準のルール化など、各事業者間の横断的な体制をとることで継続的な安全管理に努めてまいります。

また、知床半島における緊急時の通信網の整備も、事故発生を契機に携帯基地局の設置が進められており、総務省をはじめ各省庁の迅速な対応により、知床五湖、宇登呂灯台エリア、知床岬、羅臼ニカリウス地区での通信が順次可能となるよう施工が進められております。

観光地において安全の確保は基本的なことであると同時に、定期的な見直しを継続していかなければいけないということを、この事故の報道を通して全国の観光地にも、安全意識を高める契機となりました。

被害に遭われたご家族からは、亡くなった身内の命を無駄にしないでほしい、という切なる願いも寄せられました、その想いを私たちは決して忘れてはなりません。

この度の事故で尊い命を亡くされた方々の想いを胸に、これから知床を訪れる方たちを受け入れる上で、安全の確保こそが最大の使命であるとの決意のもと、ここに安全の誓いをいたします。

2024年4月23日

知床遊覧船事故被害者追悼式 実行委員会 委員長 野尻 勝規

知床アクティビティリスク管理体制検討協議会

知床アクティビティリスク管理体制検討協議会 最終報告概要

令和6年4月19日 最終報告概要


知床の観光船 安全対策の徹底について



知床五湖

地上遊歩道の散策では自然環境への配慮をするとともにヒグマに対する危機回避の技術や避難誘導などの訓練に基づいた 認定制度※を設けており、毎年行われる認定試験を合格した者が知床五湖のヒグマ活動期においてガイド業を行っております。これらの技術を有するガイド事業者は当観光協会や知床ガイド協議会に所属しており、ヒグマの生息地である知床国立公園内でのガイドツアーを安全に楽しむことが出来ます。

認定制度:知床五湖登録引率者 新規養成カリキュラム

参考リンク:知床五湖 二つの歩き方|環境省


流氷体験

価値ある流氷体験の存続と流氷事故を防ぐため、知床ガイド協議会では流氷ルール(流氷ウォークについて)を定めることとする。 流氷を利用した自然体験ツアーを行うガイドは、以下のルールを厳守すること。

  1. 自然環境への配慮をする。
  2. ツアーを行う入り口付近に、流氷事故防止啓発看板を設置する。
  3. ツアーエリア(幌別エリア、ウトロ港エリア、チャシコツエリア)を遵守する。
  4. 日没後から日の出前は、いかなる理由でもツアーを行わない。
  5. ツアー参加者全員にドライスーツ、防水グローブ、帽子を着用させる。
  6. ガイドはツアー中、必ずセルフレスキュー用具(救急用具を含む)を携帯する。
  7. ガイドはエリアの状況や内容、参加者の体力等に合わせた引率人数制限を行う。
  8. 一回のツアー時間を、180分以内とする。
  9. ツアー中、気象や波等により危険が予測された場合は、速やかに陸へ戻る。その際、同じエリア内のガイド団体にも危険を知らせる。
  10. 流氷に乗っている一般の人を発見した場合は、速やかに状況確認をし、必要によっては陸地まで引率する。また海に落ちた人を発見した場合は、速やかに消防署への連絡と、可能な限りのレスキューを行う。
  11. 事故や緊急時の対策マニュアルを作成し、年に一度、セルフレスキューの訓練を行う。また、訓練の記録は知床ガイド協議会へ提出する。
  12. ガイドは最低2年に一度、救急救命法の講習を受ける。
  13. 万一の事故に対応できる賠償責任保険に加入する。
  14. 事故及び問題が生じた場合は、知床ガイド協議会に速やかに報告する。
  15. ローカルルール『流氷』を積極的に推進する。

参考リンク:知床ガイド協議会


ヒグマ(ビジターの方へのお願い)

長さ約70kmの知床半島には500頭ほどのヒグマが暮らす世界有数のヒグマの高密度生息地です。一方、知床半島には斜里町・羅臼町合わせて1万6千人ほどの住民が暮らし、年間120万人以上の観光客が訪れます。「ヒグマを近くで見たい・撮りたい」という欲求から、ヒグマへの過度接近や餌やり等も後を絶ちません。その様な行為によってヒグマが人に慣れてしまい、人を恐れない「問題グマ」へと変えてしまいます。その様な「問題グマ」が人間への危害を及ぼす恐れがあると、やむなく補殺されてしまう場合もあります。人はもちろん、ヒグマの生活を守るためにもヒグマへの餌やりや近づくことは、おやめ下さい。

参考リンク:知床国立公園

参考リンク:知床のひぐま|知床財団


ウナベツスキー場

斜里町峰浜にある流氷の原野を眼下に望みながらウインタースポーツを楽しめるスキー場です。

安全報告書.pdf を見る


ウトロ地区における災害時の避難場所

質問 津波や災害時はどこへ避難すればよいの?

回答 1
道の駅うとろ・シリエトク周辺にいる方は、知床ウトロ学校 地図 へ避難して下さい。

回答 2
道の駅うとろ・シリエトクより東側にいる方は、知床自然センター 地図へ避難して下さい。

参考リンク:地域防災Web「ウトロ自主防災会」


アーカイブ

安全の誓い

2023/04/23

令和4年4月23日、知床半島沖で発生した知床遊覧船事故において20名の尊い命を失いました。未だ6名の方の行方がわからないまま、あの事故から一年が経過いたしました。
知床を楽しみにこの地を訪れ、思わぬかたちで事故にあわれた被害者とそのご家族の気持ちを思いますと、今も心が締め付けられる想いであります。
事故に遭われました被害者の皆様に対し、今一度ご冥福をお祈りし、哀悼の意を心から表す次第でございます。
この度の事故は、町内の観光事業者による安全管理意識の不足が招いた事故でありますが、知床の自然を観光資源として発信するわたしたちにとって、なぜこのような事故が起きたのか。再び事故が起きないようにするには、どうしたらよいのか。ここ知床斜里に住む多くの関係者や地元住民が自問自答し続けた12か月でありました。
この事故を受け、斜里町として知床アクティビティリスク管理体制検討協議会を、令和4年8月に設立しました。斜里町をはじめ、観光協会、ガイド協議会、小型観光船協議会などの関係団体の他、北海道大学大学院や日本航空安全推進本部の皆様にも加わっていただき、海上での安全性の見直しだけでなく、知床における自然アクティビティのリスクマネジメントと観光地としての安全面の見直しを行い、これからも検証と改善を継続していきます。
また、知床地区は自然環境保護の観点から、長い間電波環境の整備がなされてきませんでした。今回の事故を受け、海域等の通信環境の改善に向け、国による整備計画も現在進めており、今後万が一の災害発生時に際しても緊急通信ができる環境改善を進めているところであります。
観光地において安全の確保は基本的なことである反面、馴れ合いや当たり前という観点から見落としがちになることも、この度の事故で私たちは思い知らされました。
被害に遭われたご家族からは、亡くなった身内の命を無駄にしないでほしい、二度と同じ事故を起こさないでほしい、という切なる願いも繰り返し寄せられました。
私たちは、忘れません。
この度の事故で大切な家族を失ったご家族の想いを胸に、亡くなられた尊い命を生かし続けながら、これから知床を訪れる方たちを受け入れる上で、安全の確保こそが最大の使命であるとの決意のもと、ここに安全の誓いをいたします。

特定非営利活動法人 知床斜里町観光協会 会長 野尻 勝規


小型観光船運航再開について

2022/06/16

令和4年4月23日、知床半島沖で発生いたしました海難事故でお亡くなりになられた方のご冥福を心よりお祈りいたします。
未だ発見されておられない方の捜索活動につきましては、引き続き国への協力を要請いたしますと共に、捜索活動に対する多くのご寄付も斜里町に寄せられております。全国からのあたたかいご支援に感謝申し上げますと共に、引き続き遭難者の発見に至ることを心より望んでおります。
今回の事故を受けまして、知床小型船事業者3社(ゴジラ岩観光、知床クルーザー観光船ドルフィン、知床世界遺産クルーズFOX)と安全面の見直しを行った上での共通の自主ルールを策定し、各社ホームページにて開示させていただいております。
今後は各社、運航基準を遵守し、令和4年6月16日から運行を再開いたします。二度と悲惨な事故を起こすことのないよう最大限の安全意識で取り組みますので、ご理解の程よろしくお願いいたします。


お知らせ

2022/05/18

2022年4月23日に「(有)知床遊覧船」が運航する船舶(KAZUI)で海難事故が発生し、現在も海上保 安庁・警察・消防・自衛隊等による懸命な捜索活動が続けられております。
捜索活動への協力や徹底した安全対策の再検討等のため小型観光船(ゴジラ岩観光、知床クルー ザー観光船ドルフィン、知床世界自然遺産クルーズFOX)は全社運休しております。
安全体制の見直し、運航コースの変更なども含めて、船舶事業所各社での慎重な協議のため運休期間を5月31日(火)までとしておりましたが、6月10日(金)まで延長いたします。状況によっては運休期間がさらに延長される可能性もあります。ご理解下さいます様、お願い申し上げます。
尚、「大型観光船おーろら」につきましては安全対策を徹底したうえで営業運航を一部再開する予定とのことですが、詳しくは運航会社へお問合せ下さい。


お知らせ

2022/05/6

2022年4月23日に「(有)知床遊覧船」が運航する船舶(KAZUI)で海難事故が発生し、現在も海上保 安庁・警察・消防等による懸命な捜索活動が続けられております。
小型観光船(ゴジラ岩観光、知床クルーザー観光船ドルフィン、知床世界自然遺産クルーズFOX)は捜 索活動に協力するため、ゴールデンウィークの期間で(4月29日~5月8日まで)全便運 休をいたしました。今後につきましては、安全体制の見直し、運行コースの変更なども含めて、船舶事 業所各社での慎重な協議が必要であると考え、運休期間を5月31日(火)まで延長いたします。状況によっては、運休期間がさらに延長される可能性もありますので、何卒ご了承をお願い申し上げます。
尚、「大型観光船おーろら」につきましては、運航再開の時期を検討中です。


知床遊覧船(KAZUⅠ)の海難事故について

2022/04/28

この度、(有)知床遊覧船の観光船(KAZUI)が4月23日知床半島沖において、海難事故をおこし、現在 も捜索活動が行われております。
一刻も早い全員の救助を願いますと共に、亡くなられた方のご冥福を心よりお祈りいたします。
今後原因の究明がおこなわれることとなりますが、当協会といたしましては、今一度船舶事業者と協議し、運行体制、安全面の見直し、事故発生時の早期対応策なども合わせて信頼回復に努めていく所存でございます。
観光船は知床観光の大きな柱であり、当協会のホームページや観光案内所で観光船事業者の紹介をさせていただいております。その様な中、今回の事故が発生し、知床を訪れた皆様、これから来訪予定の皆様には多大なるご迷惑をおかけしましたこと心よりお詫び申し上げます。

特定非営利活動法人 知床斜里町観光協会 会長 野尻 勝規


お知らせ

2022/04/25

ニュース等で報道されております通り、2022年4月23日に「(有)知床遊覧船」が運航する船(KAZUI)の 海難事故が発生いたしました。
現在も海上保安庁・警察・消防等による行方不明者の懸命な捜索活動が続けられております。
小型観光船各社は海上捜索活動への協力のため、ゴールデンウィークの臨時便期間として予定しておりました4月29日~5月8日まで小型観光船は全便運休を決定いたしました。
尚、知床観光船「おーろら」も行方不明者の捜索活動に当たるため営業運航を当面の間、中止致します。